エミーバンク協会代表の末吉です。
2026年10月20日(火)、東京都市大学 横浜キャンパスで、メディア情報学部の専門科目「街づくり論」の授業としてエミーゼニーゲームクラシックを開催しました。担当の岡部大介先生・中村雅子先生にお招きいただき、3年生以上の受講生70名あまりが、2つの商店街に分かれてケーキ屋さんを経営しました。
きっかけは、10月1日に岡部先生から届いた一通のメールでした。両先生とは約10年ぶりの再会です。授業準備の段階から先生方と一緒にゲームの場をつくった、手づくり感のある回になりました。
開催概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催 | 東京都市大学 メディア情報学部「街づくり論」(岡部大介先生・中村雅子先生) |
| 開催日 | 2026年10月20日(火) |
| 場所 | 東京都市大学 横浜キャンパス 7号館 学生ホール |
| 参加人数 | 80名弱 |
| 参加者 | 「街づくり論」の受講生(主に社会メディア学科の3・4年生) |
| ファシリテーター | 堅田瑠那(ファシリテーター)、ゆずまり(コ・ファシリテータ―) |
| 備考 | エミーゼニーゲームクラシック(粘土版) 6チーム×2商店街。両先生がレストラン役 |
岡部先生とは、笑顔の数をチャリティに変える「エミタメ」でご一緒して以来です。中村先生とも、学園祭のARアプリでご一緒して以来の再会でした。どちらも約10年ぶりです。
岡部先生からのご依頼は、「エミーゼニーゲームができるまで」のお話、ワークショップ、学生からの問いかけへの応答、そして先生方との振り返りトークでした。受講生は80名規模。そこで、公認ファシリテーターの堅田瑠那さんと鈴木真理(ゆずまり)さんに加わっていただき、商店街を2つに分けて並行して進めることにしました。両先生には、ケーキを仕入れる「レストラン経営」役で加わっていただきました。両先生からも「全力で参加します!」との頼もしいお返事。
会場は、学生さんたちが食事したり歓談やイベントをしたりするという学生ホールを岡部先生が用意してくださいました。大きな窓の外に緑が広がる、開放感のある空間です。昼休みは学生の食事に使われる場所のため、授業の冒頭に受講生と一緒に机を寄せて「商店街」をつくるところからスタートしました。この会場づくりが、そのままアイスブレイクにもなりました。チームは中村先生が事前に12グループに分けてくださいました。

前半は、利益を最大化する「ゼニー」の商店街です。学生のみなさんは、練習なしのルール説明を短時間で理解し、すぐに戦略を立てて動き出しました。
決算では、ケーキを1つも納品しなかったお店や赤字のお店も出ました。

後半は、「ありがとう」を増やす「エミー」の商店街です。ファシリテーターの声かけも、ゼニーの「どうしたらもっと稼げる?」から、「ありがとうを伝えたいのはどんなとき?」に変わります。

決算の数字にも、その変化が表れています。
| 商店街 | ゼニーの利益合計 | エミーの利益合計 | エミーで起きたこと |
|---|---|---|---|
| 東(6店) | 280 | 1,170 | 赤字のお店がなくなり、全店が黒字に |
| 西(6店) | 410 | 580 | 6店の利益が90〜100でほぼ横並びに |
西商店街では、複数のお店が共同でつくり、共同で売る約束を結び、利益が横並びになりました。全体に声をかけて話し合いの場をつくるリーダーも現れたと、両先生が報告してくださいました。


最後は、「エミーゼニー」っていったいなんなんだろう?という問いで振り返りました。いつもの解説「ウェルビーイングなおカネとは?」に加えて、今回は「街づくり論」の授業らしい対話のパートを用意しました。
受講生は2年生までに、贈与交換・利他性・互酬性・社会関係資本を学んでいます。これらの概念を、ゲームで体験したことと重ね、「価値を循環させ、関係を育てる」街づくりへと展開しました。
主催:岡部大介先生(東京都市大学 メディア情報学部)
「ゼニーセッション」を経験しているから、「ありがとうと言っていいエミーセッション」のデザインにすんなり移行できるなーと実感しました。そして、「明示的に7倍ポジティブに」を、実践していこうと思いました。大学生は(練習効果のない)「ゼニーセッション」のルールなどを短時間で理解し、すぐに戦略を立てて動けており、その点にとても驚きました。
主催:中村雅子先生(東京都市大学 メディア情報学部):
初めてのワークショップでドキドキわくわくでした。学生たちの即興的なアイデアにも感心しました。条件を変えて何回か開催してみると、またいろいろなことが見えそうで楽しみです。
堅田瑠那さん(全体ファシリテーター):
全体ファシリテーターとして関わらせていただきました。皆さん素直で真面目な一方、新ルールのキッチンスケールの入札に手持ちゼニーを全額投じるチームが3つもあるなど、大胆さも光りました。WEBのルーレットをさっと使いこなす今ドキらしいチームや、時間切れ間際に叩き売りを始めたチームなど、柔軟な発想とさまざまなやりとりが印象的でした。私たちにとっても、共に考え学べる楽しい時間となりました。貴重な機会をありがとうございました。
鈴木真理(ゆずまり)さん(西商店街コ・ファシリテーター):
学生のみなさんが真摯に取り組む姿勢や柔軟な発想に触れ、とても新鮮な時間を過ごさせていただきました。ゼニーでは、スケールの買い占めを考えたり、イチゴを高く売ろうと待ち続けたりと、学生さんたちの柔軟な発想や駆け引きが新鮮でした。ゼニーでイチゴを売る機会を逃したチームの学生さんが、エミーでは率先して全チームに協力を呼びかける姿もあり、前のセッションでの経験が、次の行動につながったように感じました。
サブファシリとして声をかけてまわるなかで、考え込んでいた学生さんたちが実際に動き始める瞬間に出会えたことが、何よりうれしかったです。
Don’t Think, Feel! から、さらに Move へ。
学生さんたちの変化や笑顔に触れ、サブファシリテーターの醍醐味を感じる時間となりました。
このような学びの場を一緒につくる機会をいただき、ありがとうございました。
末吉隆彦(東商店街コ・ファシリテーター):
赤玉をいっぱい作って大きな声で販売していたチームが、もう一つのチームとカルテルを提案したけれど合意できず時間切れになったのも、現実感あるなと思ってながめていました。学生の皆さんの柔軟な発想や、ゲームを通じて生まれるさまざまなやりとりが印象的でした。岡部先生、中村先生、再会の機会をありがとうございました!

今回使ったのは、塗り絵版・レゴ版に続いて登場した「粘土版」です。ファシリテーションの調整や道具の準備には、粘土版の開発者でもある江上広行さんに協力いただきました。
岡部先生、中村先生、受講生のみなさん、ありがとうございました。
レポート:末吉隆彦